吉備津神社と吉備津彦神社
祖父母のお墓参りを兼ねて加茂大祭というお祭りに行きました。岡山県吉備中央町です。お祭りの前日、吉備津神社と吉備津彦神社に行きました。吉備津彦神社を訪れるのは初めてです。
岡山市北区にある吉備津神社と吉備津彦神社。1.5km程離れています。
御祭神は同じ・桃太郎伝説のモデルとされている大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)です。
吉備津神社は備中の国の一宮で、吉備津彦神社は備前の国の一宮です。
吉備津神社
吉備津神社は「比翼入母屋造(ひよくいりもやづくり)」の本殿・拝殿(国宝)や全長360mの回廊、釜で吉凶を占う鳴釜神事で特に有名です。
現在の本殿は室町中期1425年足利義満によって25年の歳月をかけて再建されたものだそうです。
回廊の途中にある南隋神門は吉備津神社では最古の建造物で南北朝時代1357年の再建。現在保存修理中の北隋神門(室町後期再建)、鳴釜神事を行う御竃殿とともに国の重要文化財に指定されています。
吉備津神社本殿と北隋神門の屋根は檜の皮で葺いた檜皮葺(ひわだぶき)で、北隋神門の檜皮葺は階段途中から振り返るとわりと近くで見ることができました。
吉備津彦神社
吉備津彦神社は大吉備津彦命の屋敷跡に社殿が建てられたのが始まりだそうです。
二月の節分祭、五月の子安神社例大祭、八月の御田植祭、十月の秋季例大祭などなど年間を通して岡山の歴史文化にまるわる神事が多いのが特徴です。
訪れた日の翌日が秋季例大祭で、流鏑馬神事を見てみたかったのですが今回は加茂大祭に来たのでまたの機会に。
吉備津彦神社の絵馬は丸くて桃が描かれています。桃のおみくじに桃の御守り、桃の御朱印帳もあってちょっとかわいいです。
桃太郎伝説について
吉備津神社・吉備津彦神社へ参られる際はおさえておきたい桃太郎伝説のお話です。(※神社の由緒書と公式サイト、ガイドさんのお話を参考にしていますが諸説あるそうです。)
2018年、岡山の桃太郎伝説は日本遺産に認定されました。岡山県の27の文化財から構成されます。一般的な桃太郎のおはなしのルーツといわれているのが吉備津彦命の温羅(うら)退治です。
吉備国へ渡来した百済の王子ともいわれる温羅は、朝廷に対抗して吉備国で蛮行を重ねていました。その容姿や凶暴さから鬼や鬼神とも表現されます。
第十代崇神天皇の時代(古墳時代)、吉備国平定のために大和朝廷から遣わされた吉備津彦命は温羅を討ち、吉備国に平和と秩序を築いて人々のために仁政を行いました。
温羅を討つお話はこうです。
吉備津彦命と温羅は矢を撃ち合い、お互い雉や鯉など動物に身を変え温羅は討たれるのですが、その首は生気を漂い吉備津神社の御竃殿の下に埋めてもうなり声を上げ続けます。これが鳴釜神事の起こりだそうです。
また、吉備津彦命は温羅征伐に3人の供をつけていて、それが家来だったのか豪族だったのかそのモデルにも諸説ありますが、犬も雉も猿も無縁ではなさそうです。
鬼と称される温羅は一方で吉備国に製鉄や土木の技術をもたらした功労者ともいわれ、大和朝廷の脅威だったともいわれます。
歴史的背景があって史料が残っているとなんだかわくわくしてきませんか。
こちらのサイトも参考にさせていただきました。
参拝の後は「おおもりうどん」
吉備津神社・吉備津彦神社へ参られてお腹がすいたらおすすめしたいのがJR吉備線(桃太郎線)備中高松駅近くのおうどん屋さん「おおもりうどん」です。
吉備津神社から自動車で10分程に西方、最上稲荷の大鳥居が目印です。
おおもりうどんと聞くと「大盛なのかな」と思ってしまいそうですが、半分正解で、店主が大森さんという苗字であり、加えてうどんの量が通常の倍ほどあります。
大(大盛り)を注文しなくても充分大盛りなので注意が必要です。
讃岐のようにめちゃくちゃコシがある麺ではなくて、大阪うどんのように柔らかすぎずその中間といった感じの麺です。その麺がお出汁とよく絡んで、量が多いのにするすると食べてしまいます。一番人気は肉うどんです。
おいしいだけでなく量が多いだけでなく、お値段も大変懐にやさしいのです。
よく覚えていませんが、かけは390円くらい、きつね・わかめ・月見は480円くらい、おむすびとおいなりさんは小さくないのに50円くらいです(2019年10月の記憶)。
肉うどん、カレーうどん、天ぷらうどんなどは700円か750円くらいだったかなと思います。おいしくて量も多くて大満足できることと思います。
ちなみにメニューの宗治(むねはる)うどんの宗治とは、戦国時代の武将で備中高松城主の清水宗治だろうと夫が言っていました。詳しいなあ。
店舗はJR備中高松駅から東方へ300m程、国道180号沿いにあります。
備中高松の写真館で、祖母の遺影といとこの成人式の撮影をした帰りに寄ったおおもりうどんで、いとこは振袖であるにもかかわらずカレーうどんを食べました。
写真館のショーウィンドウには暫くの間、祖母の遺影となった写真が飾られて少しだけ有名になりました。
母とふたりでおおもりうどんに寄った日、私のきつねうどんを一口ちょうだいと言って1枚しかないきつねを食べられて衝撃を受けました。
大晦日、叔母が仕事帰りに買ってきたのはおおもりうどんのおうどんで、年越しそばではなく年越しなべやきうどんを食べました。
備中高松周辺は、叔母の職場も祖母が最初に入居したホームもあって、おおもりうどんとともに思い出が積み重なっていきます。いつ行っても懐かしくあたたかいおうどんやさんです。