大久野島

昨日ニュースで大久野島が取り上げられていて、別名「うさぎ島」と言ってました。
外国人も、日本人も、うさぎに会いに来たとインタビューに答えていました。
ニュースキャスターは「うさぎ、かわいいですね」と言ってニュースは終りました。
 
大久野島は、小学校の修学旅行で行きました。
平和学習で行きました。
子どもたちのあいだでは、別名「毒ガス島」と呼ばれてました。
 
毒ガス工場の存在や場所が知れないように、地図から消されたので、
「地図にない島」とも教えられました。
 
 
平和記念公園被爆者の話を聞き、原爆ドームを目にし、原爆資料館に行き、
子どもの自分には、恐怖以外の何者でもありませんでした。
 
恐怖に包まれてその日は大久野島に宿泊。
うさぎがやたらといるのも不気味だったし、うさぎの耳がやたらでかいのも不気味だったし。
 
うさぎを見て喜んでいる子どもはいませんでした。
 
子どもたちのあいだでは、
うさぎが実験台だったとか、毒の影響で耳がでかいとか、根拠もなく囁かれていました。
 
なので、うさぎに触れようとする子どももいませんでした。
 
 
翌日は島内ウォークラリーで4人の班行動でした。
迷い込んで、毒ガス工場関係の廃墟に出くわしました。
 
うっそうとした小道の先に、突然現れた見たこともない廃墟、固まる子ども4人。
今のように手入れもされてなくて、柵もなくて、
青空の下、ただ「ぽつん」と建っていました。
 
出会ってしまったからには、当然中も見ます。
男の子も恐怖を隠しきれていない様子で、堂々とは近づきません。
 
恐る恐る、扉のない入口から中を覗いて、
不気味さと恐怖がMAXに達し、皆で走って逃げました。
 
その光景は脳裏に焼きついて離れません。
 
 
良い意味で私たちは恐怖を学び、戦争の恐ろしさを知りました。
 
 
うさぎも好きならいいけど、
同じ行くなら、大久野島の歴史についても知っていただきたいと思いました。
 
ニュースで取り上げるなら、
うさぎうさぎ言ってないで、毒ガス資料館にも触れてほしいと思いました。
うさぎだけの島みたいに伝わっている気がします。